1999年12月08日 |
DICと昭和高分子、ポリエステル成形材料で提携 |
SMC生産で相互委託~将来は共同生産会社設立も視野 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:昭和高分子、大日本インキ化学工業 |
大日本インキ化学工業(DIC)と昭和高分子は8日、浴槽や水タンクパネルなどFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製品に用いられるポリエステルSMC(シート・モールディング・コンパウンド)分野において、競争力強化のため同材料の生産面で業務提携に合意した、と発表した。 今回の提携は、当面はDICのSMC生産子会社である新ディック化工成田工場(千葉県富里町)と昭和高分子・竜野工場(兵庫県竜野市)を利用して相互生産委託を行い、物流費の削減と生産効率の向上、また資材の共同購入によるコストダウンなどを目指すもの。 日本のポリエステル樹脂市場は、1989年度に出荷数量で26万トンを記録したのをピークに減少が続いており、1999年度は20万トンを切る状況となっている。その一方で市場の収縮にともなって価格競争も激化し、末端価格が大幅に下落している。 こうした状況の中で、ポリエステルSMCは特にハウスメーカーの規格化(プレハブ化)により、寸法安定性に優れた高い成形性を有する材料として、住宅関連商品向けで数量が拡大している。しかしその反面、SMCのユーザーの中には自社でSMCを生産、消費するインプラントメーカーも一部にあり、SMC外販メーカーは価格面で苦戦を強いられている。また労働集約的な生産方式や、製品ライフサイクルの短さ、設備上の制約から梱包費や物流コストのウエートが高く、地域性を重視しなければ採算が成り立たない状況に追い込まれている。 両社は今後、得意部門の技術アライアンスや特許製品の相互利用を含め、一層の業務提携範囲の拡大を検討していく方針で、将来は共同生産会社の設立も視野に入れている。また今回の提携はあくまでも生産面の提携であり、販売はそれぞれが独自に行うとしている。 |