1999年12月06日 |
東ソー、分離精製剤トヨパールを50%増強 |
南陽事業所に設備集約~200年4月完工 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東ソー |
東ソーは6日、生化学分野の研究開発や食品および医薬品分野の製造などに用いられている分離精製剤トヨパール(商品名)の生産について、富山工場、南陽事業所の2拠点体制から南陽事業所に集約、あわせて生産能力を50%増強する、と発表した。総額3億円を投じ、2000年2月着工、同年4月の完工を目指す。 分離精製剤は、特に欧米の需要が旺盛で、同時に性能面に対するユーザーの要求も多様化している。同社は拡大していく需要に対応、同時に製品開発を行っている南陽事業所に集約・一体化することにより、分離精製剤事業をさらに強化する方針。 トヨパールは、イオン交換性、疎水性、特異的新和性、分子の大きさの違いなどにより、液体状にした物質(試料)中に含まれている微量成分を分離させ、目的成分の精製を行う用途に用いられている(中速液体クロマトグラフィー法)。米国食品医薬品局(FDA)のドラッグマスターファイル(DMF)への登録や、医薬品などの製造原料の微生物汚染に関する品質保証(バイオバーデン)などに対応しているため、食品や医薬品の製造に広く利用されている。 トヨパールは、分析機器や診断機器などと並ぶ科学計測事業の主力製品の一つであり、中速液体クロマトグラフィー法による分離精製剤としてのシェアは世界2位のポジションにある。なお、東ソーの科学計測事業部の売上高は年間100億円程度であるが、日本国内、また欧米の科学計測関連子会社を含めたグループ売上高は約200億円に達している。同社では、今後も市場ニーズにあった製品の開発、生産体制の強化を進め、科学計測事業のさらなる成長を目指す。 |