1999年12月03日
塩ビ管値上げ決着で、軟質、塩ビ板も交渉本格化
レジン値上げ分の価格転嫁動向に注目集まる。
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大手パイプメーカーが進めていた塩ビ管の値上げ交渉が決着、軟質塩ビ、塩ビ板などの塩ビ誘導品の値上げ交渉も本格化してきている。
 PVC(塩ビ樹脂)メーカが進めていたレジンの値上げが先月に全面決着したことを受け、誘導品の値上げ動向に注目が集まっていた。今回、主力用途である塩ビ管の値上げが決着したことで、他の製品メーカーでも交渉を一段と本格化させているもので、年内の決着も視野に入れ、さらにさまざまな製品での値上げ打ち出しが相次いでくることが予想されている。
 塩ビの国内需要は、硬質向けが6月以降、軟質向けが5月以降対前年比を上回るなど堅調な需要が続いている。業界では9月中間期決算の影響から10月の需要動向に懸念が広がっていたものの10月、11月ともに大きな落ち込みは見られず、輸出も中国を中心とした引き合いが依然として旺盛であることから、需給タイト感が一段と強まっている。
 レジン業界では、原油、ナフサ、EDC(二塩化エチレン)など原料価格が依然として高止まりしていることもあり、今後のレジンの値戻しは有り得ないとしており、誘導品各社がいかに価格転嫁できるか動向を見極めたいとしている。