1999年12月01日 |
大日本インキ化学、欧州のラテックス合弁事業を解消 |
事業戦略の方向性の違いから英社に株式譲渡 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業 |
大日本インキ化学工業(DIC)は30日、取締役会において欧州のラテックス合弁会社シンソマー社の保有株式を、パートナーである英ユール・カトー社に譲渡することを決め、同社の100%子会社ライヒホールド・インベストメンツB.V.がユール・カトーと譲渡契約を締結した、と発表した。両社の間でシンソマーの事業戦略の方向性に相違が生じてきたことから決議したもので、譲渡額は9,500万ドル(約100億円)。 今回の譲渡は、ライヒホールドの保有株式をユール社に有償譲渡するもので、対象株式の引渡しと同時に現金で一括決済するもの。ライヒホールド・インベストメンツB.V.とユール社は、折半出資によりイギリスにシンソマーLtd.(エセックス州ハーロー)、ドイツにシンソマーGmbH(フランクフルト)の2社を運営、ラテックスの製造販売を行っており、1998年度の売上高(2社連結ベース)は9,600万ポンド(約163億円)。 なおDICの連結総資産への影響については、譲渡額相当分と投資簿価(約25億円)の減少との差し引きで75億円増加する。また売上高はシンソマーが持分法適用関連会社のため影響しないが、損益については譲渡益約80億円を関係会社売却益として特別利益に計上する。また株式譲渡日(11月30日)までの持分法投資損益は当期連結業績に反映されるため、経常利益には影響しない。また単体の総資産や業績には影響がない。 さらに今後の見通しについて、当期業績は上記80億円の関係会社売却益の計上があるものの、欧米の合成樹脂事業の遊休資産の評価損、北米のノンコア事業子会社の株式売却損を特別損失に計上、さらに今回の株式譲渡益に対する法人税の支払額が増加するため、当期純利益は5月公表どおり120億円となる。また株式譲渡にともなう資金増加分については、当期中に全額有利子負債の返済に重用する予定。また来期以降については、譲渡対象関連会社に関する持分法投資利益(年間60億円)が減少するが、有利子負債の削減により支払利息の減少が年間6億円程度見込まれるため、経常利益、当期純利益ともほとんど影響しないという。 |