1999年11月29日 |
三菱化学、日本ロシュ袋井工場を買収 |
医薬品中間体をコア事業として強化 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:三菱化学 |
三菱化学、日本ロシュの両社は29日、三菱化学が日本ロシュの袋井工場を買収することで合意した、と発表した。 12月末までに手続きを完了し、来年1月から三菱化学全額出資の子会社として運営していく予定。買収価格は明らかにしていないが、数十億円とみられる。 袋井工場は1971年以来、ビタミンB2および各種中間体を製造してきたが、ビタミンB2は来年央からロシュ・グループ(本社スイス・バーゼル市)のドイツ工場に統合されるため、日本ロシュは袋井工場の譲渡を検討していた。 一方、三菱化学は最近の医薬メーカーのアウトソーシング化により需要が拡大している医薬中間体をコア事業と位置付け、強化策に取り組んできた。 こうした両社の意向が合致し、今回の決定となった。同工場の買収とあわせて〓日本ロシュが袋井工場で生産しているD-リボース(ビタミンB2の原料)の製造技術を三菱化学に譲渡する〓これとは別に日本ロシュは新たに4種類の医薬中間体の生産を三菱化学に譲渡する、なども決まった。 袋井工場は静岡県袋井市にあり面積は約35万_、三菱化学が買い取るのはうち約12万_となっている。従業員85人はそのまま新会社に移る。 なお、浅野応孝・三菱化学機能化学品カンパニープレジデントと、繁田寛昭・日本ロシュ社長の両氏は記者会見でそれぞれ次のように語った。 浅野応孝氏「医薬中間体は新しい成長分野だし、バイオは当社としてもファインの中心分野として戦略的に強化していきたいと考えていた。袋井工場はインフラは整っているし、設備も立派なので、即戦力になると期待している。将来とも拡充・強化していきたい。」 繁田寛昭氏「ロシュ・グループは世界戦略の中で生産体制の見直し、再編を進めており、今回の譲渡はやむを得なかった。しかし、社会的に信用のあるいいパートナーが相手に決まり喜んでいる。三菱化学の医薬中間体、バイオ事業にかける意欲が十分に感じられ今後に期待している。」 http://www.c-nt.co.jp/news/fukuroi.html">日本ロシュ袋井工場(写真) |