2002年06月04日
急成長の「酸化チタン光触媒」レポート、経産省
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:ホンダ

 紫外線によって有機物を分解する「酸化チタン光触媒」の研究、実用化は、世界的にも日本が最も進み、今後も急成長が期待されているが、経産省はこのほど「性能評価方法の確立と、その標準化に向けた取り組み」を急ぐべきだとする技術調査レポートをまとめた。
 
 酸化チタン光触媒は、東京大学の本多、藤嶋両教授が世界に先駆けて発見した「ホンダ・フジシマ効果」を基本原理とた、日本のオリジナル技術として知られ、いまのところ実用化も日本が先行している。
 
 光(紫外線)の照射によって強い分解力を発揮し、表面を親水化するなどの性質をもっているところから、防汚、防菌、脱臭等の作用を生かした商品がガラス、タイル、家電、自動車、塗料、繊維など多くの企業によって開発され実用化されている。
 
 アンケート調査したところ、酸化チタン光触媒の市場規模は、回答のあった51社だけで2000年度合わせて127億円、しかし実際には、もっと多くの企業が製品開発しているため、全国的にみれば市場規模は250億円、その後も前年比30%台の増加を見せているところから「現時点では300億円を超えている」と推測している。
 
 事業分野別売上比率は外装材63,9%、内装材22.4%、道路資材6,1%、浄化機器用フィルター5,6%、生活用品2,8%の順となっている。
 
 レポートでは「酸化チタン光触媒市場は、今後も急速な成長が期待されている」としたあと、課題として「長期耐久性の保証や可視光の利用」などの技術的対応だけでなく「性能評価方法の確立」「標準化」が今後の普及に向けた取り組みとして重要と提言している。