2002年06月06日
MMAモノマーの値上げ交渉が決着
5月出荷分からキロ20円の引き上げが実現へ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは6日、同社がかねてから需要家各社との間で進めていたMMAモノマーの値上げ交渉が決着したと発表した。5月の出荷分から1キログラム当たり20円引き上げることで各ユーザーの同意を得たとしている。同社の希望がそのまま通ったことになる。
 
 今回の値上げは、ナフサの高騰とその後の高止まりによるアセトンやメタノールの価格急騰に対処してのもの。同社では、最近におけるこれら諸原料の高騰は同社自らの合理化努力で吸収できる範囲を大きく超える規模となっているので、採算割れを防ぐため製品値上げに踏み切らざるを得なくなったと説明している。
 
 同社によると、最近のMMAモノマーの需給バランスは全世界的にタイト化している。PMMAやシートの需要が急激な伸びを遂げるようになってきたのに加え、透明ABS樹脂の需要も一気に活発化してきたのが大きな要因。このため海外ではいち早く相場が上昇、現在の平均CFR価格は3月ころよりトン当たり150ドル高い1100ドル近くになっている。

 今後も需給はさらにタイト化が進むとの見方が一般的だ。需要が引き続き拡大する傾向にある一方、第3・四半期中に世界各国で同モノマープラントの定修が相次ぐため供給力の縮小が必至の見通しにあるからだ。
 このため、海外相場は今後一段と強含みで推移する公算が濃厚であり、日本国内でも価格の再修正がありそう。