2002年06月07日 |
経産省「出光興産火災事故」原因報告 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:出光興産 |
経産省は6日、4月15日に発生した出光興産北海道製油所の火災事故について、 同社から原因や対策に関する報告を要旨次の通り受けたと発表した。 <原因> (1)現場担当者の証言、被災状況、材料試験、運転データなどから、発災の起点となった漏洩開口部は循環ガス硫化水素吸収塔(RH=V7)のバイパス配管であることがわかった。 (2)損傷要因は、材料や製作・施工事の欠陥ではなく供用中の腐食である。(3)付着物の分析結果などから、腐食物質は水硫化アンモニウムと判明。 (4)腐食はいくつかの複雑な条件が重なった結果とわかった。 (5)配管壁の付着水分に硫化水素及び微量のアンモニアが溶解し、局部的な濃度上昇、温度上昇、乾湿繰り返しが重なったことが、腐食につながったと推定される。 (6)着火はガスの噴出によって生じた静電気、または金属の衝撃・摩擦による接触火花が原因と考えられる。 <対策> (1)腐食の主原因となった当該バイパス配管の局部的な冷却・加熱等の条件を一つでも排除すれば十分に対応できる。しかし万全を期すため当該バイパス配管を撤去することにした。 (2)今後、当社全製油所の類似個所について、腐食防止の観点から総点検を実施する。 (3)今後は腐食等が早期に発見できるよう特別チームを編成し、高度なシュミレーション技術を活用して設備の信頼性、安全性向上に取り組む。 |