2002年01月30日 |
国交省、ホルムアルデとクロルピリホスを規制へ |
社会資本整備審議会建築分科会が大臣に規制案を答申 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:厚生労働省 |
国土交通相の諮問機関の一つである「社会資本整備審議会」の下部組織の「建築分科会」は30日の会合で、『高齢化対策、環境対策、都市再生等、21世紀における新たな課題に対応するための建築行政のあり方について』と題する第一次報告書をとりまとめ、これを答申書として佐藤副大臣に手渡した。 同分科会は13年10月に林大臣から上記のテーマで諮問を受けたのに対応して、「集団規定のあり方部会」「室内化学物質対策部会」「建築物バリアフリー対策部会」「建築省エネルギー部会」--の計四つの専門部会を設置してそれぞれのテーマ別に行政のあり方を検討・審議してきた。30日の会合では、その結果を一つにまとめた第一次報告案を巡って討議し、各委員の間で意見の一致が見られたことから正式に答申書として提出したもの。 注目の「室内化学物質対策部会」の報告(答申)では、まず始めに、「化学物質の室内濃度が厚生労働省の設定する指針値を超える場合には、建築基準法に基づく新たな規制を検討すべきであり、合わせて今後とも室内空気汚染の各過程の調査研究を積極的に推進することが必要」と、基本的な考え方に関する意見を明確に示し、そして、講ずべき具体的な施策についても、「ホルムアルデヒドとクロルピリホスを当面の規制の対象にすべき」等々、きめ細かく提言している。 同分科会が同答申書の中で示した具体的な施策は以下の通り。 (1)規制の指標=厚生労働省の指針値。 (2)規制の基準=化学物質の室内濃度そのものではなく、濃度を指針値以下に抑えるために必要な通常の建築材料、換気設備などに関する客観的な構造基準。 (3)対象物質=当面はホルムアルデヒドとクロルピリホスを対象とするが、トルエン、キシレンその他の化学物質も調査研究し規制対象への追加を検討する。 (4)対象建築物の部位=ホルムアルデヒドの場合は内装材、押入れ、建具など居室を面的に被覆している主要な部分。クロルピリホスは、壁、柱、廊下、床下、天井裏、小屋裏など居室の周囲の広範な部分。 (5)規制に当たっての想定すべき条件=ホルムアルデヒドは30分平均濃度。他の物質は1日平均濃度。 (6)ホルムアルデヒドに関する建築材料および換気設備の規制=同物質の発散量に関する等級区分のない建築材料の使用禁止と等級区分された建築材料の使用面積制限を行なう。また、家具からの発散もあるので原則として換気設備を設置する。 (7)クロルピリホスに関する建築材料の規制=規制対象部分には同物質を発散するおそれのある建築材料は使用禁止。 |