2002年06月10日
中国の4月の樹脂輸入、台湾品と日本品が大きな伸び
日本品は6樹脂全てがベスト5入り
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 中国による汎用樹脂の輸入は4月も引き続き活発で合計6樹脂の同月の輸入通関数量はいずれも前年同月の実績を上回ったが、国別では台湾品が6樹脂全てで前年同月を大きく上回っている点が注目される。また、日本品もPPを除く5樹脂が引き続き順調な伸びを遂げている。
 
 台湾品の対前年同月比は、HDPEが156.4%(20,257トン)、ABSが147.8%(73,157トン)、PSが147.0%(50,204トン)、LDPEが123.7%(17,249トン)、PPが121.0%(34,676トン)、PVCが119.5%(38,606トン)--となっている。これら台湾品は、中国の全輸入量に占める構成比(シェアー)の面でも韓国と1~2位を争う高位をキープしている。LDPEを除く5樹脂が上位5位以内に入っており、PSとABSはトップを維持している。PVCは第2位、HDPEとPPは第3位、LDPEも6位に位置している。中国の汎用樹脂の市場における台湾品の基盤が一段と強固になっている様子がうかがえる。
 
 日本品もPPを除く5樹脂が全て前年同月を上回った。PPは前年同月の94.4%(21,168トン)にとどまったが、LDPEは143.1%(18,526トン)、ABSは139.3%(13,650トン)、PSは135.6%(16,498トン)、HDPEは116.5%(16,533トン)、PVCは108.1%(53,474トン)--と好調であった。PS、ABS、LDPEの3樹脂の伸び率の高さが特に目を引く。しかも、日本品は6樹脂全てが数量面での構成比の上位5位以内に入っている。うちPVCは引き続きトップの地位にあり、ABSは第3位、PPとPSは第4位、LDPEとHDPEは第5位となっている。
 
 韓国品は、ABSが141.5%(48,336トン)、PSが113.4%(20,662トン)、PPが107.2%(83,386トン)--と好調であったが、反面、HDPEが91.5%(57,673トン)、LDPEが67.9%(34,587トン)、PVCが59.2%(14,173トン)と落ち込んだ。ただし、6樹脂の全てが数量面でのベスト5に入っている。HDPEとPPが第1位、PSとABSが第2位、LDPEが第3位、PVCが第5位を占めている。
 
 タイ品はPP、PS、ABSの3樹脂がベスト5に入っているが、いずれも前年同月の数量を下回っている。ABSは99.3%(7,944トン)、PPは89.2%(14,516トン)、PSは85.6%(12,083トン)で、いずれも第5位となっている。また、引き続き数量面では他の国を大きく抑えているサウジアラビアのLDPEも78.7%(41,775トン)と大幅に前年を割り込んでいる。
 
 1~4月の累計でも台湾品が全ての樹脂で前年同期を大きく上回っている。日本品もPPの4%減を除いて順調な伸びを遂げている。シェアーのトップは、HDPEとPPが韓国、PSとABSが台湾、PVCが日本、LDPEがサウジアラビア--となっている。