2002年06月11日
プラ協、産業系廃プラの処理処分実態調査結果をまとむ
有効利用率が5年間で18%から55%に拡大
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は11日、同協会が先に実施した「産業系廃プラスチックの発生事業所外における処理処分の実態調査」の結果を取りまとめた報告書の概要を発表した。
 
 これは、産業系廃プラスチック類の処理・処分事業者を対象に12年度における中間処理と最終処分の実態をアンケート調査したもの。全国の約3,600社の中から1,584社を抽出して調査した。アンケートの有効回収率は22%であった。
 
 同調査によると、同廃プラスチック全体のうち55%が有効利用され、残り45%の中の34%は埋め立てによって、また11%は単純焼却によってそれぞれ最終処理されていることが判明した。同協会が平成8年度に同じ調査を実施したときの有効利用率は18%であったが、その後の5年で一気に3倍に拡大したことになる。
 有効利用の中身は、マテリアルリサイクルが14%、発電付き焼却が11%、固形燃料化が9%、高炉原料化が6%--などとなっている。極めて広い範囲にまたがっている点が注目される。素材別の有効利用率は、廃タイヤ類が95%、廃発泡スチロールが60%、廃塩化ビニルが70%、ポリオレフィン系廃プラスチックが89%--などで、特に汎用製品の再資源化率が高い点が浮き彫りになっている。
 一方、前処理の主流は破砕処理法と選別法となっている。ただし発泡スチロールの場合は溶融固化が最も多く、破砕処理と選別がそれに続く。塩ビの場合は破砕処理がトップで、以下は選別、異物除去の順となっている。
 今回の調査で把握された年間全処理量は1,204トン。うち80%が回答事業者の上位45社で占められている。塩ビの場合も全体の80%が上位18社でカバーされている。全体の1社当たりの平均受け入れ数量は年間6,000トンとなっている。いずれも少数の大手事業者を中心に処理が進められている点が明確になっている。
 
 また今後の動向については、単純焼却が4%、最終処分が15%それぞれ縮小する反面、有効利用が一段と増える見通しにある点が明らかになった。回答事業者全体の53%が今後も同廃プラスチックの有効利用事業を拡充していく考えを表明、油化設備、発電付き焼却設備、セメント原燃料化設備などの拡大が図られる見込みにある点も明確になった。