2002年06月11日
プラ協、電子・電機向け廃プラの処理技術の調査結果もまとむ
適切な条件下で処理すれば問題なしと結論、今年度は本実験へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は11日、同協会が実施した「電子・電気機器使用済みプラスチックの処理技術に関する基礎調査」の結果を取りまとめた報告書の概要を明らかにした。 
 同調査は、2001年4月から家電リサイクル法が施行されたこともあって、家電リサイクル工場から出てくる廃プラスチックの再商品化技術の早期確立が極めて重要との観点に基づき、基礎データの調査を実施したもの。日本自転車振興会の平成13年度の補助事業の1つとしてプロセス適合性が高いと推定されるガス化プロセスを選び、家電製品やパソコンや複写機などに使用されている難燃性プラスチックの最適処理に関する基礎データを採取した。川鉄テクノリサーチ社のラボスケール設備を使って、ノンデカブロ系・デカブロ系難燃剤含有のポリスチレン2種類と、ノンデカブロ系難燃剤含有のABS1種類の合計3種類の試料を対象に処理時の臭素化合物の挙動を解析し、適切に処理できる条件を把握するための小型電気炉による基礎実験を行なった。
 その結果、臭素を難燃剤として含有する難燃性プラスチックの場合も、適切な条件下で処理すれば塩素化ダイオキシン類と同様に臭素化ダイオキシン類の生成が極めて低いレベルに抑制できることが判明したという。この場合の条件としては、排ガスを摂氏1150度以上の温度として2.5秒以上保持した後、70度以下の温度に急冷処理することが挙げられるとしている。

 同協会では、今回の調査によって得られた基礎データを踏まえて平成14年度中に実用化レベルの実証試験を実施する計画。住友金属工業・鹿島工場内の1日当たり20トン能力のガス化溶融システムを活用していく。この場合も、同振興会から補助金交付を受ける。