2002年06月13日 |
旭硝子財団、第11回「ブループラネット賞」の受賞者を決定 |
ハロルド・A・ムーニーとジェームズ・ガスターヴ・スペスの両博士 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:旭硝子 |
旭硝子財団は11日、同財団による地球環境国際賞「ブループラネット賞」の2002年(第11回)の受賞者に米国の科学者2名を選考したと発表した。 一人は米・スタンフォード大学生物学部教授のハロルド・A・ムーニー博士。もう一人は米・エール大学森林・環境学部長のジェームズ・ガスターブ・スペス博士。 同財団では、今年11月14日に東京・千代田区の東京會舘で両博士の表彰式を開き、賞状とトロフィーおよび副賞の5000万円を両氏にそれぞれ送呈する。また、翌15日には東京・渋谷区の国際連合大学でで両博士の記念講演会を開催する。 今回受賞者に決定した2人のうちのハロルド・A・ムーニー博士は、植物生態系の研究に生理学的手法を導入して「植物生理生態学」を開拓、自然あるいは人為的な環境変化によって植物系生態系が受ける影響を定量的に把握する方法を確立したことで知られる。また、国際的な交易等によって生物種の生殖地が広がる事実があることをつきとめるなど、生態系に関する多くの国際共同研究の立ち上げに尽力し、地球生態学の確立に貢献するとともにその成果を環境政策に反映させる際の指導的役割も果たしてきた。 同財団では、今回の同博士の選考理由として“植物生理生態学を開拓して植物生態系が環境から受ける影響を定量的に把握し、その保全に尽力してきたこと”を挙げている。 一方のジェームズ・ガスターブ・スペス博士は、環境問題の解決に重要な役割を果たす組織である「自然資源防衛委員会」の設立に貢献したあと、1980年にカーター大統領・環境問題諮問委員会委員長として「西暦200年の地球」と題する報告書をまとめ、地球環境問題の重要性を説いたことで一躍世界に存在が知られるにいたった環境問題の権威の一人。1970年代にいち早く気候変動問題への対策を提唱したこと、さらには世界資源研究所を設立して科学的データを基盤とした政策研究を指導してきたことでも知られる。 今回の受賞の理由としては“地球環境問題を世界に先駆けて科学的に究明して問題可決を国際的に重要な政治課題にまで高めたこと”が挙げられている。 なお、今回の両博士を含めると「ブループラネット賞」の受賞者は合計22人となる。 |