2002年06月17日
エチレンのアジア市況が続落、プロピレンは高止まり
中国のエチレン系誘導品の買い控えが影響か
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域におけるエチレンの相場が先週半ば以降さらに軟化してきた。アセアン諸国向けだけでなく、CPCが定修中の台湾向けも続落している。CFR〓当たり350〜370〓の唱え値が多い。
 
 大手商社によると、軟化に歯止めがかからない最大の要因は、中国によるポリエチレンなどエチレン系誘導品の引き合いが目立って縮小してきたためエチレンの需給に余剰感が一層広がってきたことにあるといってよいようだ。また、アジア地域全体の石油化学コンビナートの春季定修が6月末で終了する見通しにあることもマーケットに少なからず影響を及ぼしていると見られる。
 
 しかし一方のプロピレンの市況は同400〜420〓で高止まりしている。これは、もともとプロピレンの需給バランスが全世界的にタイトに近い状態にあったことと、プロピレン系誘導品の相場が比較的安定していることによるものと見られている。
 
 こうした背景から、大手商社の間には、エチレンはなお弱含みで推移する公算が濃厚なもののプロピレンは小じっかりの状態が続くと予想する向きが多い。