2002年06月19日
VECの武田会長が初会見、「採算是正が急務」と強調
新市場開拓やリサイクルの推進も重要課題と指摘
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会の武田正利会長は19日、市村浩信、土屋隆、今村信和の副会長3氏とともに定例記者会見に出席し、塩ビ業界全体が取り組むべき課題について所感を披露した。また、塩ビ樹脂の需給の現状と展望についての見解も明らかにした。
  
 塩ビ業界の課題については、「事業をきちんと継続していけるよう早急に採算を是正することが最重要テーマ」と強調、「各社が商慣行の改善や交錯輸送の排除などの合理化策により積極的に取り組んでいくことが肝要」と述べた。
 また、海外各国と対照的に日本だけが需要の縮小に苦しんでいる点についても触れて、「新しい市場の開拓が思うように進んでいないのが最大の要因」と指摘、「中国、韓国、欧米といった海外主要国同様にサイディングや窓枠の市場を大きく拡大していく必要があり、こうした新市場・新用途の開拓と、より効果的なリサイクル活動の展開も業界共通の重要課題」とかねての持論を強い口調で披露した。
 
 一方、5月の国内出荷実績が引き続き前年を下回ったことについては「公共投資の縮小と住宅着工件数の減少によって塩ビ管の需要が落ち込んだままとなっているのが主因」と説明、今後の見通しに関しては「下期に住宅関連の需要が多少盛り返すと期待しても、年間総内需量は昨年並みの147万〓前後になるのではないか」と慎重な見方を示した。
 なお、中国のアンチダンピング問題では「対話が不足していた点は反省し、そのうえで打開策を見出していかなければならない」と述べた。