2002年06月20日
三井化学、7月のPTAの輸出価格は据え置きへ
中国のポリエステルメーカーとの話し合い開始
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、PTA(高純度テレフタール酸)の7月の輸出価格を6月と同一水準に据え置く方針を固め、中国のポリエステルメーカー各社との話し合いに入った。
 
 6月の輸出価格は、上海など中国の主要港渡し(CFR)の高値がトン当たり690〓となっている。5月に続いて同70〓の値上げ要求が通ったもの。今年1月に比べると同250〓高い。
 これに対して最近の中国のポリエステルメーカーの多くは、韓国、台湾、日本などから輸入するPTAの相次ぐ値上げによって採算確保が困難になってきたとして7月分の値下げを求める傾向にある。これには、7月がポリエステル繊維の不需要期とあって製品価格への転嫁が難しいとの事情も絡んでいると見られる。
 
 三井化学は、中国側ユーザーが厳しい環境に立たされている点も無視できないと考え、同繊維の不需要期である向こう1ヵ月は現状維持に努めるのが得策との結論を下したもの。値上げを強行すると、中国のポリエステルメーカーが一斉に減産に入る可能性が濃厚な点も考慮したのではないかと見られる。
 なお同社は、中国に大型PTAプラントを建設する計画を進めており、現在中国の行政当局が環境アセスメントの作業を実施中。