2002年06月21日
新日鐵化学、2層CCL「エスパネックス」極薄グレード開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:新日鐵化学

 新日鐵化学は21日、回路関連材料の主力商品である無接着剤銅張積層板(2層CCL)「エスパネックス」(商品名)について、高密度FPC(フレキシブルプリント基板)向けに、9ミクロン、5ミクロンの極薄銅グレードの新商品を開発し、サンプル出荷を開始したと発表した。
 
 昨年末から木更津製造所で行なっていたキャスティング設備の増設工事が完了し、商業運転を開始した。7月から量産化体制に入る。
 
 2層CCLは、このところ携帯電話、デジタルビデオカメラ、DVDなどの小型軽量化、高性能化に伴い、プリント配線板の高密度実装化に不可欠な材料として需要が拡大している。
 
 「エスパネックス」は、COF(チップ・オン・フィルム)などの微細配線を形成するのに必要な寸法安定性、銅箔接着力の信頼性、耐マイグレーション性に優れ、2層CCL部分野では事実上の標準材料となっている。
 
 今後も国内のカラー携帯電話端末向け液晶駆動ICモジュールや、多層フレキシブル配線板、さらに韓国や欧州の携帯電話カラー端末の本格的な普及になどにより、需要は着実な増加が見込まれている。
 
 同社は、2003年4月までに硬化工程の設備増強などにより年産300万〓への能力アップを計画している。中期的には500万〓程度までの拡大を視野に入れた事業展開を行なっていく方針。同製品を扱う同社先端材事業部では、新商品も含めてトータル約300億円の売上げ規模を目ざすとしている。