2002年01月29日
汎用4樹脂の4Qの出荷、主力品種が軒並み前年割れ
前年超えはHDの射出用とPSの雑貨用だけ
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:経済産業省

 経済産業省製造産業局が29日に集計した汎用4樹脂の昨年10~12月期(第4四半期)の出荷実績のうち、肝心の国内向けは、前年同期の実績に対する縮小率がそれまでの四半期に比べて一段と大きくなっている。LDPEは7%減の39万2,220トン、HDEは6%減の25万7,566トン、PPは4%減の59万8,269トン、PSは12%減の21万9,384トン--となっている。各樹脂の主要品種が軒並み前年同期を大きく下回ったことによる。
 一方の輸出は、PPの17%減を除く3樹脂が前年を上回ったが、どの樹脂も絶対量が国内を大幅に下回るため、トータルでは国内向け同様に4樹脂全てがマイナス成長となった。
 
 国内向けでは、4樹脂それぞれの最大消費グレードが全て前年同期を下回っている点が注目される。LDPEのフィルム用は20万6,744トンで8%減、HDPEのフィルム用は9万7,999トンで同じく8%減、これまで健闘してきたPPの射出成形用も33万9,268トンで1%の減少となっている。PSの包装用は8万3,570トンで7%減っている。また、PPの主要品種の一つであるフィルム用は12万5,670トンで7%の縮小となっている。
 このように包装関連品種が軒並み前年を大幅に下回ったのは、製品輸入の増大、容器包装リサイクル法の本格施行に伴う薄肉化と需要自体の縮小--などのマイナス要因がこれまで以上に顕在化してきたことにあると見られる。
 逆に前年同期を上回ったのは、HDPEの射出成形用の3万2,323トン(8%増)とPSの雑貨用・他の4万2,312トン(1%増)の2品種だけだ。このうちのHDPEの射出成形用が大幅な伸びを遂げたのは、パレット・コンテナー向けの需要がなお好調であったため。またPPの射出成形用が1%の微減にとどまったのも同じ理由によると見られている。