2002年06月24日
ポリオレフィンの価格修正交渉が進展
輸入の激減も影響か、有額回答が急増
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:日本ポリケム

 日本ポリケムや三井住友ポリオレフィンなどによると、ポリオレフィンフィルムメーカーなど需要家各社との間の価格修正交渉がここにきて急速に進展してきた。これまで話し合いの場に出ることを拒んでいた多くのユーザーが、最近は、“有額回答”を用意して条件交渉に臨むようになってきているという。
 
 中規模や小規模の需要家の中には、実施時期を遅らせることを条件にレジンメーカー側の希望に近い額の値上げの受け入れを表明するところが出てきているとのこと。
 
 このように需要家各社の対応に変化が出てきたのは、最近のレジンの輸入が昨年を大幅に下回っていること、国内需要が上向きの傾向をたどり始めていること、などから需要家の間に先行きの需給バランスに徐々に警戒感が広がってきたせいではないかと見られている。
 ポリオレフィン3樹脂の輸入数量をこのところ減少傾向を強めており、4月の実績を昨年同月に比較すると、LDPEは26%、HDPEは71%、PPは61%それぞれ縮小している。1~4月の累計もLDPEが21%減、HDPEが49%減、PPが29%減--とこれまでにない低い水準にある。これは、タイやサウジアラビアなどが日本よりも価格の高い欧州各国に玉を振り向けるようになってきたことによるもの。欧州の需要の好調から推して、この状態はなお当分の間続く公算が濃厚と見られている。一方、内需は包装分野を中心に回復の兆しが見えてきている。
 
 ポリオレフィンメーカー各社は、こうした客観情勢の変化によって価格是正の交渉は今後一段と加速が付くとの判断を強めている。