2002年06月25日
汎用4樹脂の包装用品種の出荷が上向く
5月はLDPEのフィルム用を除き前年超え
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 汎用4樹脂の5月の国内向け出荷数量は久方ぶりにそろって前年同月の実績を上回ったが、この中では、包装用品種が全体に上向いてきている点が注目される。
 
 4樹脂の包装用品種のうち、5月の出荷数量が前年同月の実績を下回ったのはLDPEのフィルム用の2%減だけで、それ以外は、LDPEのラミネート用が6%増、HDPEのフィルム用が1%増、PPのフィルム用が5%増、PSの包装用が10%増--と全てが前年同月を上回っている。

 前年同月を下回ったLDPEのフィルム用も、減小率はこれまでの各月に比べるとかなり小さい。ちなみに、今年1月以降の各月の対前年同月比は、1月が4%減、2月が6%減、3月も6%減、4月が3%−−であった。
 一方、同樹脂のラミネート用は6%増で、4月の5%増に続いての前年同月超えとなっている。それまでの3ヵ月は、1月が4%減、2月と3月がともに8%減であった。
 輸入品の増加傾向が続いているHDPEのフィルム用も、5月は1%増に転じた。1月と2月はともに4%減で、続く3月は8%もの落ち込みとなったため先行きが心配されていたが、4月はコンマ以下の縮小にとどまり、そして5月はわずかながらもついに前年同月超えに変わったもの。
 PPのフィルム用は、4月の4%増に続いての前年同月超えである。1月の7%減、2月の9%減、3月の8%減--と不調が続いていたが、どうやらボトムから脱しつつあるといえそう。
 PSの包装用は、回復度合いが最も鮮明だ。1月の3%増のあとの2月は4%減となったものの、3月は2%増に転じ、そして4月は8%増、5月は10%増という高成長を遂げている。
 
 汎用4樹脂の5月の国内出荷の回復には、こうした包装関連品種の伸びが少なからず作用していると見られる。ただし、この傾向が本物かどうかは6月と7月の実績を見るまではっきりしない。