2002年06月25日
L-LDPEに対する中国の引き合い、7月も低水準
レジン各社は当面の契約数量を抑制
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 国内外のL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)メーカー筋によると、同樹脂に対する中国からの7月分の引き合い数量は6月同様に5月までの規模をかなり下回っている。また、引き合い価格は6月をさらに下回る水準となっている。
 
 引き合い数量が減っているのは、この時期が農業用ポリエチレンの不需要期に当たるのに加えて、これまでの積極的な手当てによって同国の需要家全体の在庫が必要以上の規模に膨らんでいるためと見られている。
 こうした事情を背景に、直近のオファー価格はCFRトン当たり490〜500ドルに下がっている。6月の平均に比べると同50ドル安い。ピークの5月に比較すると同150ドルの値下がりである。もっとも、年初に対比すると同40〜50ドル高い。
 
 これに対して、日本、韓国、サウジアラビア等の同樹脂メーカーは、いずれも契約数量を思い切って縮小する政策を取っている。サウディ石油化学(SPCD)のように従来の規模の70%どころに減らしているところもある。無理な押し込みは価格を一段と引き下げるだけとの判断によるもの。
 この姿勢が貫かれるかぎり、供給過多の事態は回避されよう。同樹脂メーカーの中には、8月になれば同国内の在庫が縮小し、加えて農ポリの需要期にも入るので再び需給がタイト化し、価格も再上昇すると予想する向きが多い。