2002年06月27日
プラ協、廃プラ処理・処分のLCA手法による検討結果をまとむ
どのリサイクル手法でもエネルギー消費を抑制できると結論
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は、かねてから廃プラスチックの各種処理・処分方法の環境影響を客観的に評価するためLCAを用いた手法を検討してきたが、その結果がまとまったので27日にその概要を発表した。
 
 今回の作業では、容器包装リサイクル法に沿って市町村が分別収集した容器包装を対象に、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクルの三つの手法をバスケット法で評価した。
 その結果、三つの手法それぞれの消費エネルギーは、いずれも、埋め立てて新規に生産する場合に比べて小さく抑えられることが判明したという。三つのプロセスのエネルギーセーブ率はほぼ同じだと述べてもいる。ただし、サーマルリサイクルの場合は、発電効率を30%まで上げるとエネルギーセーブ率が最も高くなると説明している。
 一方、マテリアルリサイクルについては、仮に再生プラスチックの性能が劣り、新規生産品に対する代替率が下がると消費エネルギーのセーブ率は低下する、としている。
 
 同協会がこの日に明らかにした結論は以下の通り。
 ▽LCAを行なう際の前提条件の置き方によって結果に差異が生じる。すなわちサーマルリサイクルでは発電効率の高低が、またマテリアルリサイクルの場合は再生プラスチックの収率および性能の違いが大きく影響する。
 ▽サーマルリサイクルの発電効率を20%、マテリアルリサイクルの収率を49%とし、再生樹脂の性能を新規樹脂と同等とした場合の環境影響は消費エネルギーで比較すると三つの手法がほぼイーブンであることが判った。
 ▽サーマルリサイクルは、発電効率を上げると優位性が高まる。廃棄物発電でどこまで発電効率が高められるかが環境影響の削減のポイントといってよい。
 ▽マテリアルリサイクルは、製品の収率と再生プラスチックの性能が重要なポイント。新規生産プラスチックと同等の性能であれば有効なリサイクル手法だが、性能が大幅に低下したものの場合は環境影響の削減効果は低い。