2002年07月02日
三菱化学ポリエステルフィルム、高機能品種中心にROA10%目指す
経営首脳が会見、包装用品種の直販再開と事業展開を説明
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱化学ポリエステルフィルム

 三菱化学ポリエステルフィルムの金谷浩介会長と釘澤淑郎社長は2日記者会見し、国内向け包装用二軸延伸ポリエステルフィルムの直販の再開と、同社グループの今後の事業展開の概要について説明した。
 
 国内の包装用二軸延伸ポリエステルフィルムの直販再開は、かねてから同社が企業化している各種ポリエステルフィルムのうち、三菱化学と興人の折半出資によるコンバーティング・プラスチックフィルム会社「三菱化学興人パックス(MKP)」に一時期委ねてきた同品種の販売活動を、再び同社自身で展開していくことにしたというもの。これは、三菱化学と興人の両社が今年9月1日付けで同合弁事業を解消することで合意したことに伴う措置。9月1日から実施する。
 
 この日の会見で両首脳は、同品種の直販再開の持つ意味について「コンバータと直接接触していくことで、市場のニーズにこれまで以上にきめ細かくかつ機敏に対応していけることになる点が大きなメリット」と説明、合わせて、「この強みを生かして新製品をタイムリーに市場に投入し、当社が得意としている工業材料分野のみならず包装材分野でも強固な基盤を作っていきたい」と今後の成長が期待されている包装分野でのビジネスの拡大
にも積極的に取り組む意欲を示した。

 一方、ポリエステルフィルム全体の今後の事業展開については「現在、03年から05年までの3ヵ年を目標期間とする新規経営計画の取りまとめ作業に入っているところだが、少なくともROA10%を確保していきたい」と述べ、継いで「そのためには、今後の成長が最も期待できるIT関連を中心とした高機能・高付加価値品種の育成と開発に多くの経営資源を投入していきたい」と基本思想の一端を披露した。
 なお現在、三菱化学ポリエステルフィルムは、日本のほか米国、ドイツ、インドネシアの3ヵ国にも製造・販売拠点を有しており、いずれの工場も最近はフル稼働が続いているという。このため米国で年2万t能力の増設工事を進めており、来年春から稼動の予定。