2002年07月02日
三菱化学、英国の遺伝子治療ベンチャーに出資、筆頭株主に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

三菱化学は2日、英国で非ウィルスベクターを用いた次世代の遺伝子治療手法を開発しているベンチャー、IC-VEC社(本社:英国ロンドン)が発行する第三者割当増資株の取得により、同社株式の過半数を保有する筆頭株主になったと発表したた。

 同社は、平成10年に英国インペリアル大学との間で同大学内に遺伝子治療センター(Gene Therapy Centre)を設置し、遺伝子治療用の非ウィルスベクターの共同研究を開始、平成16年までの7年間に総額約7億円の研究資金を遺伝子治療センターに拠出するとともに研究者を派遣し、世界的な研究成果とそれらに基づく知的財産(特許)を創出してきた。
 
 昨年12月、遺伝子治療における非ウィルスベクター開発のめどが立ったため、遺伝子治療センター長のAndrew David Miller博士ほか3人の研究者とインペリアル大学は、今後製薬企業等との共同開発によって遺伝子治療関連ビジネスを展開していくため、IC-VEC社を設立した。同社が事業拡大のために第三者割当増資を行うに際し、三菱化学は、遺伝子治療センターにおける研究成果として取得してきた、または取得予定の知的財産の独占的ライセンスを行うとともに同社株式の過半数を取得した。
 
 なお、同社と同時にダイヤモンドキャピタル(東京都千代田区、浜石 満社長)、日興キャピタル(東京都中央区、熊谷 巧社長)もIC-VEC社に出資し、両社合わせて約5%の株式を取得した。これにより、創業者とインペリアル大の強い要望であった日英両国の強みを組み合わせたバイオベンチャーが実現したとしている。

<IC-VEC社の概要>
▽社  名:IC-Vec Ltd.
▽設  立:平成13年12月
▽本  社:英国ロンドン
▽主要株主:三菱化学、研究者、インペリアル大学、ベンチャーキャピタル他
▽事業内容:研究支援用ベクターに係わる製造ライセンス、動物用DNAワクチン、製薬企業との共同研究による遺伝子治療への展開