2002年07月04日
特許庁が海外模造品調査「被害額10億円以上が22件も」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:特許庁

 中国などでわが国企業の商標権、意匠権を侵害した「模造品」が急増、経産省では注意と対応を呼びかけているが、特許庁も4日、同様の「2001年度海外模造品被害調査報告書」を発表した。その中で「アジア諸国でつくられた模造品が世界各国で流通している」と”強い懸念”を示している。
 
 調査は過去5年間(1996-2000年)に特許・意匠登録した企業8,138社を対象に、アンケート方式によって実施した。1,521社から回答があった。調査結果は要旨次のとおり。
 
(1)模造品製造国では中国33%、韓国18.1%、台湾17.6%と、この上位3カ国が多く、全体の約7割を占めた。
(2)89年以来の構成比の変化を見ると、中国が増加しているのに対して、台湾は減少、韓国は横ばいとなっている。

(3)模造品流通国は中国18,2%、台湾13.8%、韓国12.2%と、製造の約7割を占めている3ヶ国の流通の割合は4割となり、北米、欧州地域での流通割合は製造国での割合を上回っている。流通地域別比率は北米.6.9%、タイ5.5%、インドネシア4,6%などとなっている。

(4)日本企業の模造品による被害額は、10億円を超えるものが22件、1億円以上10億円未満が54件と、いずれも前年度調査に比べ大きく増加した。また被害額の推定が困難としている企業が279社あった。直接的な売上の減少だけでなく、ブランドイメージなど間接的な被害があることがうかがえる。