2002年07月05日
MMAモノマーの輸出価格、7月はさらに上昇
台湾向けを中心にトンCFR1100ドルに続騰
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンによると、台湾をはじめとしたアジア全域のMMAモノマーの需給バランスは7月に入ってさらにタイト化しており、このためわが国からの7月積みの同モノマーの価格はトン当たりCFR1100ドルとなりつつある。
 
 6月の平均輸出価格は同1000ドルであったので、7月は100ドルの再上昇ということになる。最近のボトムである今年1〜2月のレベルに比べると同250ドルのアップとなる。化学製品の中でも最も高い上昇率といえる。
 
 この要因は同モノマーの需給が一段と逼迫の度合い強めてきたことにある。すなわち、液晶パネル用MMA導光板の人気がアジア地域全体で急上昇してきたことによる成形材料と押出板の需要の拡大と、全世界的な同モノマーの供給力不足の進行の2点が重要なファクターとなっている。需要の拡大はあらかじめ予想されていたことだが、一方の供給力不足は、原料ANの手当て難や定修の予想以上の長期化さらにはプラントトラブルの発生など、予期しがたい性格の要因によるものとあって影響が特に大きい。
 
 このため三菱レイヨンなどでは、スポットの引き合いはすべて見送らざるを得ない状態にあるという。コントラクトものの船積みも軒並み遅れをきたしているとのこと。同社をはじめとしたMMAメーカーや商社の多くは、こうした逼迫状態は来年上期いっぱいは続くと判断している。