2002年07月11日
化学業界が次世代半導体材料で共同開発
約20社が参加、官民連携しプロジェクト
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:JSR、旭化成、住友ベークライト、三井化学、経済産業省

 化学業界では電子材料の開発で個別に取り組んできたが、研究開発費の巨額化や韓国、中国などアジア勢の追い上げに対抗するため共同開発体制を組むことになった。
 
 これは経済産業省が来年から始める官民連携での新技術開発を目ざす「次世代半導体部材総合的ソリューション開発プロジェクト」で、まず住友ベークライト、日立化成、JSRが研究組織を10月ごろまでに発足させ、三井化学、旭化成、信越化学、HOYA、東京応化などの各社も呼び込んで20社ほどが参加する株式会社に発展させる計画。
 
 開発期間の短縮やコスト削減を目ざし、わが国半導体産業の復権をはかる。経産省では2005年度までの3ヵ年計画で総額約210億円を投入する予定。このうち105億円は民間企業の出資とする。
 
 同プロジェクトではシステムLSIやフラッシュメモリーに使われる線幅0.05〜0.07マイクロ(1マイクロは百分の1)メートル規模の超微細の基板材料などを共同開発する。
 
 封止材やフォトレジストマスクなどの半導体の全世界の市場は2001年でおよそ2兆1,000億円、うちわが国は1兆3,000億円と70%近くを占め競争力が高い。このような国際的な優位性をさらに高めようというのが同省のねらいである。