2002年07月12日
三井化学、PETボトルのリサイクル策を相次ぎ展開
リサイクル繊維による制服も自社工場で採用へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の需要拡大策の一環として使用済みPETボトルのリサイクル活動を積極的に展開していく方針を固め、再商品化計画を相次いで実行に移し始めた。
 
 その1つは、使用済みPETボトルのフレークに相溶化剤を使ってオレフィン系の材料を混入した高強度アロイを原料とするごみ袋。かねてからPETボトルのリサイクル企業として活躍中の内海企画が製膜・製袋を担当、商品名「UKバッグ」で市町村や関係企業に納入している。品種は、容量30リットル、45リットル、70リットル、90リットル--の4種類。これまでの納入件数は20件。
 
 もう1つは、同アロイによるフレキシブルコンテナー。使用済みPETボトルを原料にしてのフレコンは世界でもこれが初めての製品となる。現在同社では、強度等の品質や機能を最終確認するための試験を社内で実施しているところ。1〜2ヵ月内に完了の見通しで、実用化の見通しがはっきりつけられれば、自社の各工場で採用していく。
 
 また同社では、同ボトルによる再生繊維を使っての制服を同社の5工場全てで採用していくことにもしている。先ずは市原工場で採用し、次いで、名古屋、大阪、岩国大竹、大牟田--の各工場に順次広げていく。5工場全てに行き渡ると1,470人分が必要となる見込みだ。日本の化学素材メーカーでは初の試み。
 
 PETボトルのリサイクルは、リサイクル専業企業の手によって年々拡大している。今回のように素材メーカーが何らかのかたちでリサイクル活動を展開していくことは、そうした拡大傾向をさらに加速させることになりそう。