2002年07月15日
三井化学、アセトンの全需要家から値上げの同意得る
6月出荷分からキロ10円アップ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はこのほど、同社のアセトンの国内ユーザーの全てから同製品の値上げについて同意を取り付けた。
 
 上げ幅は1キログラム10円。6月の出荷分から実施となる。当初同社では、同11円の値上げを打ち出していたが、溶剤メーカーなど需要家各社から上げ幅の圧縮を強く求められたため若干譲歩した。今回の値上げは、出発原料ナフサの高騰に伴うコストアップ分の転嫁を目指したもの。値上げの打ち出しは4月21日であったので、決着までに2ヵ月強を要したことになる。
 
 こうした長期間の折衝を経た結果、結局アセトンの需要家各社が値上げを受け入れることにしたのは、MMA、BPA、各種溶剤などアセトン誘導品の需要が好調なこと、欧米の需給が逼迫化していて安価な輸入品が流入してくる可能性が極めて薄いこと等から、今後とも国内需給がタイトバランスで推移する見通しにある点を重視しためと見られている。