2002年07月16日
米国のアセトンメーカーが国内価格の是正を表明
3Qのコントラクト価格を6〜8セント引き上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 米・スノコ、シェルケミカル、イネオスフェノール、ジョージアガルフなど大手アセトンメーカーは、アセトンの7〜9月期の国内需要家向けコントラクト価格を1ポンド当たり6〜8セント引き上げることにしてユーザー各社に通告し、折衝を開始した。
 
 これまでの価格は同14セント平均であったので、4〜5割の値上げ率となる。トン当たりに換算すると、130〜180ドルアップの440〜490ドルということになる。MMA向けを中心に需要が活発化してきたことに伴うアセトン需給のタイト化を支えに原料の高騰分を製品価格に転嫁することにしたもの。
 
 新価格が同国内に浸透すると、アジア地域のスポット相場も自ずと上昇する見通しにある。同地域のアセトンの相場は、4月末にCFRトン当たり40ドル前後上って460〜470ドルとなって以降スティの状態にある。三井化学など日本のアセトン各社は、原料価格の高騰分を国内向け同様に輸出価格にも転嫁すべく中国などの大手需要家と折衝を重ねてきたが、米国企業が積極的にアジア地域に売り込みをかけてきたのが響いて不調に終わっていた。

 しかし米国勢が、ここにきて同国内の需給バランスの好転を背景にアジア市場への安値攻勢に終止符を打ち、米国内価格の是正に取り組むことにしたため、アジア地域の需給は再び急速に引き締まってくると見られている。
 三井化学では、この機会を捉えて。7月末以降の輸出価格を同500ドルに引き上げる構えである。