2002年07月18日 |
大型有機ELディスプレイの製品化で新たな動き |
東芝松下ディスプレイテクノロジーが先行 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:三洋電機、住友化学、セイコーエプソン、デュポン、東芝、東北パイオニア、パイオニア、三井化学、三菱化学 |
次世代ディスプレイとして注目されている有機ELディスプレイの製品化計画が活発化している。三洋電機は米イーストマン・コダック社との合弁(SID)により低分子系材料の有機ELディスプレイ製品化の名のりを上げ、下期には具体化する見通しにあるが、最近では東芝松下ディスプレイテクノロジーの動きが注目を集めている。 有機ELディスプレイは携帯電話、カーナビなど小型のものが東北パイオニア、セイコーエプソンなどによって製品化されているのに対し、20インチ前後の大型のものは目下、開発中。 こうしたなか東芝松下ディスプレイテクノロジーは、ことし4月の展示会(EDF2002)に17インチのディスプレイパネル試作品をだし、大きな関心を呼んだ。同社はさらに米国での展示会や7月はじめのFPD展にも出展した。技術は英CDT(ケンブリッジ・ディスプレイ・テクノロジー)の高分子系材料でインクジェット方式を使用するディスプレイである。 CDTの技術ではセイコーエプソン、住友化学も名のりをあげ、とりわけ米デュポン社が積極的である。有機ELは発光材料の耐用時間として3〜5万時間は必要といわれてきた。しかし開発に取り組む各社では当面1万時間ていどでも製品化したい考えのようである。 ディスプレイのサイズが10〜20インチていどとなると設備投資額が数百万円を要するとの見方があり、社運をかけた決断が求められる。 なお、有機ELの発光材料についてはプリンストン大学が昨年の4月に発表した「三重項発行」(イリジュムを使用)と呼ばれる新技術(発光効率が従来のインジュム・すず系の3倍)の採用が一般化しているもようで、三井化学、三菱化学の発光材料メーカーの動きにも変化がみられる。 |