2002年07月18日
冨澤三菱化学社長会見「一日も早い再生目ざす」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学の冨澤龍一新社長は18日、就任後初の記者会見を行い、現在の心境や、経営改善に向けた今後の抱負などを語った。この中で「赤字、無配に陥ったいま、抱えている課題は多い」と、現状に厳しい認識を示したあと、「グループ各社とともに一日も早く再生したい」と、業績改善に強い意欲を見せた。
 
 同社長は「経営の基本方針や事業戦略の策定は秋口になる」として、具体的な説明は避けたが、経営上の基本理念として(1)顧客、株主、従業員の3つの満足を追求する(2)変革への挑戦。これまで以上に高い目標を立て、ジャンプする(3)企業の社会的責任、倫理を守る、の3点をあげた。また従業員には(1)安全・安定操業の維持(2)グループの総合力を発揮し、営業活動を強化する、の2点をとくに求めたという。
 
 4月に三菱ウエルファーマ(副社長)から戻ってきていらい、社内では部長クラスとの懇談会を積極的に行い、三菱化学が抱えている課題や問題点、提言などをきいてきた。これまでに会は10回、グループ会社も含め200人から意見をきいた。これらの声を経営方針に活かし”旗じるし”にかかげていく。
 
 反省材料の1つに「分社化の副作用」をあげ、「効率化という点ではプラスだし、今後も基本的に方針を変えるつもりはないが、行動や意識がバラバラになった面がある。グループの総合力を生かし、もっとタテ、ヨコが連携して奥行きと幅のある経営を目指したい」と強調した。さらに「実行が第一だ。タブーをつくらず、高いかべに挑戦する。一日も早くトップ・ケミカルカンパニーの座を取り戻したい」と語った。