2002年07月19日 |
ポリエス短繊維、韓国・台湾へのダンピングマージンが確定 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:クラレ、帝人、東洋紡、東レ、ユニチカ |
韓国、台湾産ポリエステル短繊維の不当廉売に対する、わが国政府のダンピングマージン率が確定した。経産省が19日開催した産構審特殊貿易措置小委員会(小委員長、松下満雄成蹊大教授)に報告、了承された。 その結果、韓国に対しては供給者30社のうち、4社にはダンピングの事実なしとして「シロ」裁定を下したが、1社には6.0%、その他には13.5%のダンピングマージンを課す。また台湾(13社)は全社に対して10.3%のダンピングマージン(CIF価格に対する率)をかけるとする案が了承された。 調査対象期間は、ダンピングの事実は2000年4月ー01年3月(1年間)、損害の事実については1998年4月ー01年3月(3年間)とした。 質問状を送付した韓国の供給者30社のうち、5社からは十分な回答を得、現地調査も実施できた。その他の供給者は回答がないか、不十分だった。しかしそれでも「知ることができた事実」としてダンピングマージンを算定した。 台湾は質問状を送付した13社のうち3社から十分な回答が提出された。この3社はわが国への輸入シェアが96%を占めているため、これを台湾全体とみなして差し支えないとし、その他の供給者についても3社のダンピングマージンを採用した。 ダンピング輸入量の合計は、98年度4,659トン(内需に占めるシェア5.9%)、99年度9,466トン(同11.3%)、00年度6,465トン(同7.8%)だった。 日本国内の販売価格(1〓当り)は ◇98年度=国産品200.6円、韓国産品137.1円、台湾産品158.4円 ◇99年度=国産品185.3円、韓国産品120.1円、台湾産品138.8円 ◇00年度=国産品175.1円、韓国産品113.7円、台湾産品138.9円 この期間中の調査対象貨物の売上高は98年度の142億円から00年度129億円にと8.9%減少し、営業利益は1億円から▲4億円と、黒字から赤字に転じた。 ダンピング提訴は、01年2月28日、帝人、東レ、クラレ、東洋紡績、ユニチカファイバーの5社から受け、国内、海外の生産者、輸入業者、利用者など合計328社を対象に調査を行った。 なお、「ダンピングなし」と裁定された、韓国メーカー4社は次の通り。 ◇サムヨン・シンセティクス◇ソンリム◇デヤン・インダストリアル◇ヒュビス・コーポレーション。 |