2002年07月23日
薬事食品衛生審、26日の会合でフェロシアン化物の食添指定へ
厚生労働省、国際的に安全性が確認されている物質は指定の方向
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:厚生労働省

 厚生労働大臣の諮問機関の1つである「薬事食品衛生審議会」は26日に下部機構の「食品衛生分科会」を開き、フェロシアン化物を新たに食品添加物の1つとして指定することの可否について審議する。
 
 審議の対象となる物質は、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化カルシウム、フェロシアン化ナトリウム--の3物質。いずれも、海外先進国では、食塩の固結防止を目的とした食品添加物として使用が認められてきた。国際的な専門家会議(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)で安全性が確認済みのためだ。
 しかし日本では、食品衛生法第6条に基づく指定が行なわれていないため同物質を含む食品の販売・使用が禁止されている。
 
 ところが今年6月に入って、中国から輸入された食塩やサバの加工品、さらにはノルウェーから持ち込まれたスモークサーモンなどにフェロシアン化物が使われていることが相次いで判明したことから、同物質の取り扱いを巡っての論議が内外でにわかに活発化して今日にいたっている。
 
 厚生労働省でも事態を重視し、同審議会に対応のあり方を諮問していたが、それに対する答申が26日の同分科会でまとめられることになったわけ。ただし、この問題についてはすでに同分科会の下部組織である「毒性・添加物合同部会」が18日の会合で、「フェロシアン化物は国際的に安全性が確認されており、また、米国やEU諸国でも長年使用されて問題がないことが確かめられている」と見解をまとめている。
 このため28日の分科会では、「早急に食品添加物として指定するのが妥当」との結論が取りまとめられる公算が強い。
 
 厚生労働省では、このほかの未指定添加物についても、国際的に安全性が確認されていてしかも広く海外で使用されている物質は、一定の条件を満たしている場合に限って指定していく構えである。