2002年07月24日
旭化成、メタロセンHDPE事業本格立ち上げへ
パイプやブロー分野等に独自の新市場確保のメドつく
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成はかねてから、世界でも初めてのメタロセン触媒法による高密度ポリエチレン(HDPE)の市場開拓を進めてきたが、いよいよ今年秋から本格的な製造販売活動に移行することになった。
 
 同社のメタロセンHDPE(商品名・クレオレックス)は、同社独自のスラリー重合技術と米・ダウケミカルのメタロセン触媒技術の組み合わせによって開発されたもの。耐衝撃性が高く、また耐環境応力性(ESCR)やクリープ特性にも優れるため、最終製品のダウンゲージ(薄肉化)と特性の長期維持が図れる点が最大の特徴とされる。さらには、優れた熱安安定性や外観も大きな強みとの一つという。品種は、パイプやブロー向けを中心とするC4コモノマータイプと、軟質製品を主用途とするC6コモノマータイプとに大別される。
 
 同社では、こうした同樹脂特有の強みを最も有効に生かせる新分野の確保を目指して需要家とともにかねてから用途開拓に取り組んでいるところ。その結果、パイプやブロー、さらには軟質製品などいくつかの分野で独自の安定市場を確保していけるメドがついてきたため今年秋から本格的な生産・販売活動を展開していくことにしたもの。3年後に年産6万t設備のフル稼働を目指していく。