2002年07月26日
対中輸出各国、いっせいにLDPEの価格修正に乗り出す
8月のオファー価格、CFRトン当たり550〜560ドル
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 かねてからL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の対中国輸出に積極的な日本、サウジアラビア、カナダ、シンガポール--などの同樹脂メーカーは、今週始めから相次いで中国の需要家に8月積みのオファー価格を提示し始めているが、多くのメーカーがトン当たりのCFR価格を550〜560ドルに引き上げたい意向を表明している模様。
 
 中国はL-LDPEの世界最大の輸入国であり、このため各国ともシェアの拡大を目指してかねてから激しい受注合戦を繰り広げている。今年に入ってからは、さすがにナフサ価格の急騰に伴って同樹脂のCFR価格もしばらく上昇を続けていたが、5月を過ぎてからは一転して下降線をたどっている。5月のCFR価格はおおよそ650ドルであったが、6月は550〜560ドルに大きく値下がりし、7月はさらに30〜40ドルの下降となった。他の汎用樹脂や化成品に比べると下げ足が速く、また下げ幅も大きいといえる。
 
 こうした中で各国の同樹脂メーカーが8月分を一斉に引き上げる行動に転じたのは、同国の農業用ポリエチレンの需要期が8月から始まるので需給が再び引き締まると判断したせいと見られる。一般品種を550ドルに、そして高透明品種を560ドルに底上げしたいというところがほとんどのようだ。先ずは6月のレベルに戻すという考えなわけ。
 中国側からの回答はまだだが、中国に次いで消費量が増えているアセアン諸国の需要家の中には、550〜560ドルへの値上げの受け入れを表明するところが出始めている。