2002年07月31日
トッキ、高分子系有機ELの製品化急ぐ
英CTDに技術者派遣し共同研究
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:ソニー、東芝、トッキ

 トッキは低分子系の発光材料による有機EL用量産装置を昨年から発売すると同時に、高分子系発光材料の製品化に取り組んでいるが、このほど基本特許を導入した英ケンブリッジ・ディスプレイ・テクノロジー(CDT)に技術者を派遣して製品化を急いでいる。
 
 トッキはCDTに金属電極成膜と封止の装置を納入している関係で製品化を共同で行っていることになる。高分子系有機ELは低分子系より構造が単純で、インクジェット・印刷などで簡単に製造でき、低コスト化とハイスループット化、大型ガス基板への対応ができるというメリットがある。とくに真空装置が不要な点が大きな特徴である。
 
 高分子系有機ELを使ったフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)は東芝松下ディスプレイテクノロジー、ソニー、セイコー・エプソンなどが実用化をめざしているが、そのデバイスとなる発光材(層)、電子輸送材、正孔注入材のうち発光材の寿命がまだ5,000時間ていどで、これを3万〜5万時間にすることが最大の課題。
 
 トッキとしては発光材メーカーの実用化研究を待ちながら、有機EL装置を早急に開発したい考えである。遅くとも2004年までには製品化したい意向である。