2002年08月01日
中国からのPVCの引き合いが再び活発に
8月の輸出価格、トン580〜590ドルに上昇
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー

 大洋塩ビによると、同社などわが国のPVCメーカーに対する中国からのPVCの引き合いがここにきて再び活発になってきた。

 これは、例年のクリスマス商品の需要シーズン入りを控えて、中国国内のプラスチック加工企業の多くが塩ビ製品の増産体制を整え始めたことによるものと見られる。中国からのPVCの引き合いは6月、7月と連続して縮小傾向をたどってきた。この要因は、同国の加工業界が過剰気味となった在庫の調整に一斉に乗り出したことにあったというのが関係筋に共通した見方となっている。しかし、7月末には在庫がほぼ適正規模に戻り、加えて、クリスマス商品の需要季が迫ってきたこともあって、再び多くの加工企業が海外玉の手当てに動き始めたというわけ。このため、8月以降の対中輸出は再び高水準を維持するとの見方が関係筋の間に広がっている。
 
 こうした中国側の事情の変化を捉え、大洋塩ビなどわが国のPVCメーカーは8月納入分の価格の引き上げを強く中国側に要求し、相次いで底上げを果たしつつある。大洋塩ビの場合、8月納入分についてはトン当たりCFR580〜590ドルで契約したという。7月の価格に比較すると、同30ドルの改善ということになる。3ヵ月振りの値上げである。
 これに合わせて、VCMの価格も同じ幅で底上げが認められているという。東ソーの8月の納入価格は、同480〜490ドルとなった模様。