2002年08月01日
汎用5樹脂の対中国輸出、6月も軒並み前年以下に
中国の在庫調整と価格低下が影響か
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィンなど汎用5樹脂の対中国輸出(香港向けを含む)は、5月に続いて6月も軒並み前年同月の実績を下回った。うち、HDPEとPPは3ヵ月連続の前年同月割れである。しかも、各樹脂とも縮小率がこれまでになく大きい。PVCホモポリマーは26.9%、PSは15.5%、PPは17.2%、LDPEは15.2%、HDPEは9.5%--それぞれ前年同月を下回っている。
 ただし、1〜6月の累計は、1〜4月の大幅増がきいてPP以外の4樹脂が前年同期を上回っている。
 
 大手商社では、このように汎用5樹脂の6月の対中輸出が揃って前年同月を下回った最大の要因は、1〜4月の間に先高観に基づいて必要以上に各樹脂を買い込んだ中国国内の多くの樹脂加工企業やトレーダーが5月同様に在庫調整を実施したことにあると分析している。また、中国側の提示価格が月を追って低下したことも一因と見ている。そして、こうした不振状態は7月いっぱい続くとの見方を取ってもいる。
 ただし、7月下旬以降は、中国の農ポリの需要と欧米向けのクリスマス商品の需要が同時に立ち上がるので、再び発注が増えてくるとも予想している。
 
 汎用5樹脂の6月の中国向け輸出通関数量は以下の通り。かっこ内は前年比。右は1〜6月の合計。
 ▽LDPE =中国向け 4,277t( 70.9%)。50,209t(139.5%)。
      香港向け 5,528t(100.0%)。40,152t(115.8%)。
      合計   9,805t( 84.8%)。90,361t(127.9%)。
 
 ▽HDPE =中国向け10,343t( 91.6%)。66,599t(117.3%)。
      香港向け1,055t( 81.0%)。 7,250t( 76.5%)
      合計 11,398t( 90.5%)。73,849t(111.5%)。
      
 ▽PP-H =中国向け 7,958t( 85.5%)。59,421t( 96.9%)。
      香港向け 2,847t(104.1%)。20,829t(107.0%)。
      合計  10,805t( 89.7%)。80,250t( 99.3%)。
 ▽PP-C =中国向け 1,416t( 61.8%)。13,597t(104.5%)。
      香港向け 1,169t( 63.8%)。7,663t( 84.8%)。
      合計   2,585t( 62.7%)。21,260t( 96.2%)。
 ▽PP計 =中国向け 9,374t( 80.8%)。73,018t( 98.2%)。
      香港向け 4,016t( 87.9%)。28,492t( 99.8%)。
      合計  13,390t( 82.8%)。101,510t( 98.7%)。
 
 ▽PS  =中国向け 3,786t(106.3%)。25,666t(137.9%)。
      香港向け 8,504t( 77.4%)。66,775t(106.6%)。
      合計  12,290t( 84.5%)。92,441t(113.7%)。
      
 ▽PVC-H=中国向け27,225t( 70.9%)。276,656t(114.6%)。
     香港向け 8,153t( 81.6%)。56,093t( 90.3%)。
     合計  35,378t( 73.1%)。332,749t(109.6%)。