2002年08月05日
中国の汎用樹脂輸入、6月は4樹脂が前年を下回る
ABSだけは6月も2Qも上期計も前年超え
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋の調べによると、中国による汎用樹脂の6月の輸入は、6樹脂のうちLDPE、PP、PS、PVCの計4樹脂が前年同月の実績を下回るかたちとなった。このように過半の樹脂が前年同月を下回るのは、最近ではあまり見られないケース。しかも、前年同月を上回ったHDPEとABSの両樹脂の場合も、伸び率はこれまでになく低い。こうした事態の発生要因については、商社の多くが、過去数ヵ月続いた中国の需要家の買いだめの反動が出たこと、つまり在庫調整が進んだことを挙げている。
 
 ただし、4〜6月期トータルでは、LDPEとPVCを除く4樹脂が前年同期を上回っている。4月の実績がともに前年同月を大きく上回ったことによる。また、上期(1〜6月期)の累計はPVC以外の5樹脂全てが前年同期を上回っている。1〜3月期の輸入が極めて活発であったせい。ABS樹脂だけが、6月単月も4〜6月期合計も上期トータルもすべて前年の実績を上回っている点が注目される。
 
 今後の見通しについては、商社の多くが、8月以降再び活発になると予想している。農ポリやクリスマス商品の需要期に入るためで、年を通しての輸入量は今年もまた前年を上回るのが確実との見方が多数を占めている。
 
 各樹脂の6月の輸入通関数量は以下の通り。その右は2Q合計。さらにその右は上期計の実績。かっこ内はいずれも前年比。
 
 ▽LDPE=136,461t( 69.8%)。574,968t( 98.1%)。1,262,528t(110.6%)。
 ▽HDPE=133,224t(101.2%)。503,586t(124.5%)。1,006,040t(124.5%)。
 ▽PP =153,580t( 79.5%)。591,377t(103.9%)。1,198,105t(113.7%)。
 ▽PS =111,791t( 95.4%)。362,345t(106.8%)。710,168t(110.1%)。
 ▽ABS=128,924t(103.5%)。401,213t(112.5%)。 782,971t(115.5%)。
 ▽PVC=116,481t( 75.2%)。437,345t( 93.4%)。975,354t( 96.9%)。