2002年08月12日
東洋紡、PBO繊維の設備を倍増 米国向けなどの輸出好調
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東洋紡

 東洋紡のPBO(ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール)繊維が海外向けを中心に急速に伸びている。PBOはジアミノレゾルシールとテレフタル酸の共重合体で同社ではこれを紡糸した高強度・高弾性繊維をザイロンの商品名で出荷している。
 
 同社ではこの繊維を福井県敦賀市のつるが工場で1999年から生産、このほど設備能力を年産200トンから300トンに引き上げた。さらに2004年までに400トンに増強する方針。
 
 繊維の引っ張り強度は鉄のほぼ10倍、炭素繊維の2倍と高く、耐熱性も650℃(炭化温度)と現存する繊維では最高。防犯、消防などの防護服や航空宇宙分野での調査探査機の補強材、ロープなどに使われ、米国などの輸出用が約7割を占めている。
 
 東洋紡ではこれまでも高機能繊維を手がけてきたが、今後はより高度な技術を要する製品にシフトして高機能、高付加価値化をめざす方針である。