2002年08月19日 |
L-L製ストレッチフィルムの輸入が著増 |
マレーシア品や韓国品などが国産品を圧倒 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
ポリエチレン業界筋の調べによると、L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)製のストレッチフィルムの輸入が引き続き増加傾向をたどっており、このため国内の同樹脂メ−カーと同フィルム加工メーカーはともに一段と厳しい立場に追い込まれつつある。 同フィルム単独の輸入通関統計はないが、同樹脂業界の多くは、月平均5,500tペースとなっているポリエチレン製シート・フィルムの総輸入通関数量の大半が同フィルムで占められていると推定している。昨年のPE製フィルム・シートの総輸入数量は6万5,491tで、前年を6.6%上回ったが、L-LDPE製ストレッチフィルムはそのうちのおよそ5万tを占めたというのが大方の見方。昨年のPE製フィルム・シートの総輸入量を5年前の97年に比較するとおおむね1.9倍であり、10年前に対比すると3.3倍となるが、こうした高い伸びは専らL-LDPE製ストレッチフィルムの大幅増によるものと見られている。 同樹脂業界筋の調べによると、同フィルムの国産数量は年間約2万tで、この数年ほとんど変動がない。同フィルムの国内の需要は、PPバンドに変わって順調な伸びを続けており、昨年の総需要量は7万tに達したと想定されているが、増加分は全て輸入品で占められているというのが同樹脂メーカーの多くの分析である。 国内消費量が増えているのは、主として手巻き用の30センチ幅品種という。輸入品のほとんどがこの小幅品種であり、C4もしくはC6留分をコモノマーに使用した汎用タイプのL-LDPEが原料に採用されている。C4、C6コモノマーのL-LDPEはここにきて極東・東南アジアで活発に増産されており、その多くは韓国、マレーシア、台湾などで汎用フィルムに加工され、日本、中国、米国などに売り込まれている。ストレッチフィルムもその一つであり、品質は国産品より劣位にあるものの、価格が安いため今後もなお増えていくのが確実と見られている。 このため国産メーカーは、50センチ以上の幅の品質・機能に優れる機械巻き用品種への依存度をさらに高めていかざるを得なくなりそう。 |