2002年08月21日
PVCの7月の出荷、3ヵ月ぶりに前年を上回る
輸出の大幅増が寄与、国内向けは硬質用が依然不調
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会は21日、PVC(塩ビ樹脂)とVCM(塩ビモノマー)の7月の生産ならびに出荷の実績を発表した。
 
 それによると、PVCの7月の総出荷数量は18万9,943tで、前月を9.9%、前年同月を5.5%それぞれ上回った。PVCの月間総出荷量が前年同月を超えたのは、4月に3%増を記録していらい3ヵ月ぶりのこと。今年に入ってからは2度目の前年超えである。
 
 7月の総出荷量が前年を上回ったのは、輸出が26.2%もの伸びを遂げたため。前月比も12.2%増の高水準となった。中国からの引き合いがこれまで以上に活発であったことによる。
 
 一方の国内向けは、依然マイナス成長が続いている。硬質用、軟質用、電線その他のトータルは12万5,746tで、前年同月を2.7%下回っている。軟質用は3.0%増と引き続き安定した伸びを遂げたが、最大消費分野の硬質用が4.9%減となったのが響いている。
 
 生産は18万7,137tで前年同月を6.8%上回った。これに伴う月末在庫は8万7,986tとなった。前年同月を17.9%下回っており、おおむね適正規模といえる。
 
 一方のVCMの総出荷数量は23万4,835tで、前月を18.5%、前年同月を1.2%それぞれ上回った。前年超えは6月に続いてのもので、今年に入って4度目。
 
 これは、国内のPVC用の出荷が7.4%増の18万8,953tに拡大したことによるもの。これに伴い国内向けの総出荷量は6.9%増の19万3,094tとなった。6月の3.1%増に続き今年2度目の前年同月超えである。輸出は、PVCと逆に前年を大きく下回って18.8%減の4万1,741tとなった。
 生産は3.6%減の24万2,362tで、この結果、月末在庫は25%減の6万3,058tに縮小した。