2002年08月22日
三井化学、PTAの9月の輸出価格を引き上げへ
需給バランスの好転を背景に中国向けをトン30ドルアップ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、9月納入分のPTA(高純度テレフタル酸)の中国向け輸出価格をトン当たり30ドル引き上げる方針を固めた。早急に同国の需要家やトレーダー筋に通告し、説得を開始する。
 
 中国はPTAについても他の化学製品同様にアジア最大の消費国となっており、今年の輸入数量はおよそ380万tに達する見込みにある。需要は確実に拡大を続けており、このため極東ならびにアセアン諸国のPTAメーカーは、中国への依存度を年々高めている。したがって、同国向け輸出価格の適正化はPTA各社に取って最重要課題となっているが、今年6〜7月には、同国内の繊維メーカーの買い控えが響いて価格が反落し、各社とも採算割れに陥った。
 
 その後の8月のCFR価格は、在庫調整の終了に支えられて30ドルていど上昇したが、それでもなお原料の高騰分をカバーできない状態にあり、このため各社とも再修正の機会をうかがっていた。
 
 そうした中で今回三井化学が再値上げに踏み切ることにしたのは、秋の需要季入りに伴い中国からのPTAの引き合いが再び活発になり、一方、アジア諸国の多くのPTAメーカーが9月に定修を実施することもあってアジア地域全体の需給が一気に引き締まる見通しになってきたため。同社では、CFRトン当たり580ドルへの回復を目指していく。インドネシアやインドなどのグループ企業も同じく30ドルの値上げを実施する。