2002年08月22日
旭化成、MMAモノマーで中国進出検討
液晶導光板向けなど需要増見込む
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、住友化学、三菱レイヨン

 旭化成は液晶導光板用などに需要が急速に伸びているメチルメタクリルレート(MMA)樹脂の設備増強に取り組んでいるが、その原料となるMMAモノマーについても近く、具体計画をまとめる方針である。
 
 同社は本年11月を目標に川崎工場のMMAモノマーの設備を従来の7万トンから10万トンに増強工事を進めている。これに続いて台湾、中国などアジア地区への進出を検討していたが、このほど中国でのフィジビリティスタディ(FS、事前調査)を開始した。台湾については高雄の奇美実業系のタスコケミカルから現在、MMAモノマーを輸入していることもあって以前から共同会社によるMMAモノマーの生産を話し合ってきた。
 
 旭化成としては中国、台湾のいずれを選択するという前提ではなく、中国は中国としての設備投資を検討していく意向。しかし、MMAモノマーのアジア市場が現在の年80万トンの需要から年率3〜4%も伸びると予想される一方、その増加分のほとんどを中国市場が占めるとみられており、中国での工場建設が有力視される。
 
 中国では三菱レイヨンがさきにMMAポリマーでの進出を決め、住友化学も近く中国投資先を決めたい考えである。MMAモノマーでの中国進出は旭化成が先行する可能性が高いわけだが、工場の完成は2004年〜2005年を目標に計画が進められる見通しである。