2002年08月26日
L-LDPEの需要が内外ともに急拡大
1〜7月の累計は50万t弱に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:経済産業省

 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の出荷数量が国内向けも輸出も急速に拡大してきた。7月の実績は約7万5,000tで、前年同月をおよそ11%上回った模様。汎用樹脂の中ではダントツの伸びといえる。8月も引き続き好調に推移しているようだ。
 
 ポリエチレン業界や大手商社によると、この要因は、内需がフィルム分野を中心に順調な伸びを遂げているのに加え、輸出が中国の農ポリ向けとアセアン諸国のシーラント向けに大きく拡大していることにあるという。特に輸出の伸びが顕著で、7月の輸出は前年同月を50%強上回ったと見られている。
 
 関係筋多くは、こうした結果、1月から7月までの出荷の累計は50万t弱に達したと見ている。前年同期の実績を4%ていど上回っている計算になる。同樹脂メーカーの多くは、9月以降も需要は引き続き前年を大きく上回るペースで推移していくと予想している。内需は微増にとどまる公算が濃厚だが、輸出は4割以上増えると予想する向きが多い。その結果、年間総出荷量は史上初の90万tに達するとの見方を取る向きが増えている。
 
 経済産業省では、LDPE(低密度ポリエチレン)全体(EVAも含む)の今年の総需要量を前年比99.9%の197万tと予想している。現在のL-LDPEメーカーの予想とおりに推移すると、LDPE全体の出荷の約46%をL-LDPEが占めることになる。となると、LDPE事業の盛衰はL-LDPEの採算次第ということになりそう。