2002年08月26日 |
出光、有機ELの発光材料で色変換法に重点 |
青色ELを基盤にフルカラー化めざす |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:出光興産、大日本印刷、パイオニア |
出光興産はフラット・パネル・ディスプレイなどに用途開発が見込まれる有機EL材料の総合的な研究に取り組んでいるが、これまでに赤色有機EL材料、白色有機EL材料の工業化に見通しをつけたのに続いて、「青色光を吸収して緑、赤色光を発光する色変換技術」に重点を置いた研究活動を進めることになった。 色変換法は青色ELのべた成膜のため、高精細マスクがいらず製造歩留まり、ディスプレイの大面積化で在来法より有利になるという特徴がある。従来の三色塗分法では高精彩のマスク技術が必要で、高性能の寿命のそろった赤、緑、青のRGB発光材料が求められるうえ蒸着装置が大型になるという課題が残されていた。 この点、色変換法は高性能な青色発光材料が1種あればよく、高精細化も既存のフォトリソ技術を活用し、蒸着装置の小型化も進められるという。 出光興産は色変換法フルカラー有機ELディスプレイで大日本印刷と技術提携、出光は青色発光材料と色変換材料の開発、大日本は色変換基板の量産プロセスの開発を行っている。 出光はさる7月にパイオニアと共同で在来品の2倍以上の寿命を持ち、耐熱性も120℃の白色有機EL材料を開発したと発表した。この寿命は輝度として示されるが、ノートパソコンと同程度の輝度(100カンデラ/平方メートル)の場合、在来品の2倍に当たる10数万時間になるとしている。白色EL材料は青色発光材料と橙色発光材料の組み合わせで形成されたもの。 同社は三原色RGBのうちG(緑)は容易に発光できるため改めて研究開発は不要であり、赤色発光が開発できれば1種の青色発光材料でフルカラーが実現できるとしている。 |