2002年08月27日
横の連携を強化、安全知識基盤を構築
安全工学協会、三浦新会長が重点計画まとめる
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三菱化学、文部科学省、日本化学会

 安全工学協会(会長、三浦昭三菱化学相談役)は平成14,15両年度の重点計画をまとめた。
 これは先月、同協会会長に就任した三浦氏が、各業界の「安全」に対する取り組みを横に連携する形で、21世紀の安全対策=安全知識基盤構築のあり方を探る必要があるとの考えで(1)安全教育のプログラムの確立(2)安全工学研究会の設立(3)安全情報センターの設置を呼びかけようとするもの。産官学および学術会議、学会の連携をより密接にし、安全、安心への共通意識を高めて行く方針である。
 
 横の連携はまず学術会議第5部門専門委員会(人間と工学研究)の下部機構である安全工学専門委員会を中心に進める。安全工学専門委員会は日本機械学会、電気学会、日本建築学会、土木学会、日本化学会、日本人間工学会、安全工学協会の7機関で構成されている。さらに経産省、国土交通省、文部科学省、消防庁などからの支援強化も求める。
 
 安全工学協会は1957年に北川徹・横浜国立大教授を会長に前身の安全工学研究会として発足、ことしで45周年を迎えた。当初はガス火災などの安全工学対策を行っていたが、最近では科学技術の進歩とともに炭酸ガス排出量削減など21世紀型の災害が出現して、新たな対応にせまられている。
 
 前会長の大島栄次郎・東工大名誉教授は2001年に分野ごとに整備された安全の知識を共通の安全知識にまとめて体系化しようと21世紀型安全知識基盤イニシアチブ構想を打ち出していた。
 
 重点計画のなかでとくに災害事例情報データベース(DB)の構築や安全情報DB、安全専門家DBの構築、安全性評価サービス体制の確立など安全情報センターの設置は、社会的にただちに役立つものとして注目を集めている。なお、機関紙発行、セミナー、シンポジウムなどについて積極的に行う方針。