2002年09月02日
富士電機、有機ELの部品まで進出の意向
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:出光興産、大日本印刷

 富士電機と出光興産は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)材料の研究について協力、出光が開発した色変換方式の基本技術をベースに富士電機が薄型ディスプレイの製品化に取り組んでいるが、富士電機ではディスプレイばかりでなく色変換部品の段階まで手がけたい意向である。
 
 出光の色変換方式は青色発光材料(有機ELの材料)を中心に色変換層で青、緑、赤の3原色を発光させる。従来は青、緑、赤の発光層ををつくり、偏光フィルター(カラーフィルター)によって青、緑、赤のカラーをだしてきたが、色変換方式では青色一種の発光材料でフルカラーのディスプレイがつくれる。
 
 出光はカラーフィルターを使う有機ELの開発で、大日本印刷と技術提携し、発光層を出光が、また色変換基盤(量産)を大日本印刷が開発している。出光と富士電機の場合、色変換方式の基本技術は出光が提供するとしても富士電機では発光層などのEL材料は広く世界を対象に調達したい意向である。
 
 富士電機では発光層→色変換層→色純度向上層を一体化する色変換部品について「これまで3原色の発光層を別々に蒸着法で作っていたが、これだと精密な位置合わせが難しく、3原色各光領域の配置に限界があった。この配置が、20マイクロメートル以下だったのに対し、100万分の1マイクロまで近づけられる。寿命が3〜4倍にふえ、製造コストも30%減になる」としたうえで、色がより鮮やかになることを強調している。