2002年09月12日
バイオマス関連の各行政府の予算要求が出揃う
革新変換技術の開発支援やシステムモデルの構築等を計画
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:環境省、経済産業省、文部科学省

 バイオマス技術の研究開発や利活用を推進していくための関係行政府の15年度予算要求が出揃った。
 
 「バイオマス・ニッポン総合戦略」の実現に取り組む農水省をはじめ、文部科学、経済産業、国土交通、環境の各省もそれぞれの立場でバイオマス推進政策を展開していくためそれぞれ大型予算を確保していく計画。要求額は、農水省が290億1,700万円、文部科学省が20億円、経済産業省が関連テーマ全体で606億6,900万円、国土交通省が同1兆601億8,200万円、環境省が同724億4,400万円--となっている。
 
 各省が取り組むテーマの中には、基本的な狙いがおおむね共通しているものも存在する。したがって、各省とも革新的変換技術の開発やシッステムモデルの構築などでは、極力連携していく構え。
 
 各省の15年度の予算テーマのうち主なものは以下の通り。
 [文部科学省]
 ▽廃棄物やバイオマスから高効率でエネルギーを回収するためのガス化高効率変換技術や水素・液体燃料等の合成技術ならびにプラントの小型化・複合化技術の開発。
 ▽開発された技術の実用化と普及に向けた都市や地域など様々なレベルにおける物流等経済・社会システムの設計。
 ▽生態系・人体への影響評価研究。
 ▽廃棄物の再資源化と資源の循環利用の促進のための持続型経済社会モデルの開発。
 [農水省]
 ▽農林水産バイオリサイクル研究や地球温暖化が農林水産に与える影響の評価および対策の研究。
 ▽有機肥料等低コスト生産基盤技術など実用化技術の開発。
 ▽バイオ生分解性素材開発・利用評価事業などの普及・啓発活動。
 ▽バイオマス利活用フロンティア推進事業などの計画作成とシステム作成。
 ▽生分解プラスチックなどによる食品リサイクル推進モデル整備など多くの分野の利活用施設の整備。
 [経産省]
 ▽バイオマスエネルギー高効率転換技術開発。
 ▽バイオマス等の未活用エネルギーの実証試験。
 ▽地域新エネルギー導入促進事業。
 ▽新エネルギー事業者支援対策事業。
 [国交省]
 ▽下水道事業により、嫌気性消化槽やコンポスト化施設の整備を推進するとともに、エネルギーや製品としての下水汚泥の有効利用を推進。
 ▽消化ガスを活用した効率的な発電システムの検討や、汚泥焼却施設からの効率的なエネルギー回収システム等について研究開発。
 ▽下水汚泥とその他のバイオマスを下水汚泥処理施設において集約的に処理する事業の立ち上げ。
 [環境省]
 ▽廃棄物リサイクル施設への支援等バイオマス利用の導入支援。
 ▽環境NPO等の活動支援。
 ▽京都メカニズムによるバイオマス利用技術の海外移転。